「美濃白川産の麦飯石は品質が良い」は本当か?

麦飯石のクローズアップ写真

麦飯石はこんな石

麦飯石の産地と品質についての定説

「数ある産地の中でも、美濃白川産の麦飯石は品質が良い」

ネット上には、この情報が数多くあります。
あなたも、すでに目にしているかもしれません。

「産地によって違いはあるのか?」
「あるとすれば、どの産地の麦飯石が良いのか?」
ごく自然な疑問でしょう。

この疑問を調べていると、必ずといってよいほど出くわすのが冒頭の情報です。
売り手側が言う情報はもちろん。
買い手側が言う情報もあります。

「美濃白川産の麦飯石は品質が良い」は、定説になっているのです。

当店の麦飯石は、美濃白川産です。
私にとっては都合が良い定説といえます。
「自分の商品が良い」と、周りが言ってくれるわけですから。

しかし、この定説は本当でしょうか?
私にはずっと、次の疑問がありました。

定説になっているこの情報の根拠は何か?

この定説を目にしたことがある、という方に質問です。

あなたは、その根拠まで説明している情報を、見たことがありますか?
なぜ他より品質が良いのか?どのように良いのか?具体的な理由はありましたか?

ないはずです。

なぜ、「ない」と分かるのか?
私も調べたことがあるからです。
ネットだけではありません。書籍、雑誌、学術論文まで。
麦飯石に関するありとあらゆる文献・資料を調べ尽くしました。

が、見つかりませんでした。

「美濃白川産の麦飯石が、他の産地のモノに比べて優れている」
この定説を証明する科学的な根拠はなかったのです。
具体的な理由も誰も言っていない。どこにも書いてありません。

根拠のない情報が、なぜ定説になっているのか?

第1に、売り手側の情報に問題があります。
第2に、その売り手側の情報を見て、伝える人達がいるからです。

2つの問題を、具体的に説明します。

第1の問題、売り手が言っている場合。

「自分の商品が良い」。こう思わせたいから言っているだけです。
根拠はありません。

なぜ、そこまで言い切れるのか?

少し話はそれますが、、

恥を忍んで、懺悔(ざんげ)の気持ちで白状します。

じつは、私もやっていたからです。
「高品質な白川産の麦飯石」
私も以前、こう書いていました。

調べても根拠がなかった。でも自分の商品は良く見せたい。買って欲しい。
その気持が書かせたのです。

今はもうしません。

  • 売り手に都合のよい情報を伝えるだけのサイトにはしない。
  • お客様や読者が、本当に知りたいことを伝える。

こう決めたからです。

話を戻します。

このようにして、売り手側から根拠のない情報が発信されます。

第2の問題、この根拠のない情報を伝える人達がいます。

たとえば、個人のブログやサイトで麦飯石について書く。
ネット掲示板や質問サイト等で発言する。
その時に、「白川産が品質が良いといわれている」みたいに書くわけです。
これも根拠はありません。売り手が言った情報を受け売りしているだけですから。

以上のように、
1.売り手が発信し→2.売り手以外の人達が受け売りする。
この2段階の情報の流れにより、根拠のない情報が定説になっているのです。

では、「美濃白川産は良い」は、ウソやデタラメでしょうか?

いいえ違います。

たしかに、科学的に証明できる根拠はありません。
具体的な理由は誰も言っていません。
「他の産地の麦飯石と比べて白川産が優れている」とは言えないのです。

しかし、ウソやデタラメではありません。品質が良いことは確かです。
10年にわたり聞いてきたお客様の声私自身の体験
こうした事実から、「品質の良さ」には自信を持っています。

ただそれは、お客様や私の主観的な根拠に基づく自信です。
あなたが知りたいのは、客観的な根拠のはず。

ですので、「品質が良いことは確か」
私がこう考えるに至った客観的な根拠をお話します。

美濃白川産麦飯石は、「事実上の標準」になっている。

「事実上の標準」とは、どういうことでしょうか?
まずこの項目で、ザクっとお話します。
次の項目で、なぜ、どのようにして「事実上の標準」になったか?詳しく説明します。

誰かが公式に標準と認定したのではありません。
でもいつの間にか自然に、標準的なものになっていました。

☓(誤) 美濃白川産は「麦飯石の標準」である。
◯(正) 美濃白川産が標準的な麦飯石像になっている。

たとえば、
麦飯石とはこういう岩石だ。こういう機能と効果がある。
というように、いま知られている麦飯石の特徴を言い表した場合。
それは白川産麦飯石のことを言っていることになる、という状況です。

麦飯石の機能・効果の仕組み成分等の知見。
これらの根幹は、美濃白川産の麦飯石を分析・研究して得られたものです。
麦飯石の歴史上、初めての科学的な研究でした。

何もないところに、「麦飯石とはこういうものだ」と刻んだ。
刻まれた知見は、今なお根幹的なものである。
その後に続く人達は、この知見を参考にし、基準にした。

つまり、美濃白川産は「事実上の標準」になっているのです。
これぞ麦飯石。「ザ・麦飯石」といえるのが美濃白川産です。

ですから、どの産地の麦飯石を買えばよいか?迷った場合。
美濃白川産をオススメします。

「事実上の標準」です。
一般に知られている麦飯石の効果が、最も高い確率で得られます。
使ってみて、ガッカリする可能性が一番低いからです。

買い物で失敗したくない。そう思うなら、「ザ・麦飯石」の白川産がよいでしょう。

なぜ、どのようにして「事実上の標準」になったのか?

これは、歴史的な経緯と背景を知れば理解できます。
日本と中国での麦飯石をめぐる経緯です。

中国で生まれ、日本で一人前になった麦飯石

麦飯石は、中国で2,000年前から利用されてきた歴史があります。
文献の記載をみても歴史の古さが分かります。
とくに有名なのが、約400年前の1590年。
漢方の古典「本草綱目」の、「麦飯のおにぎりに似ている」という記述です。

が、その機能や効果について、科学的な研究が始まったのは、第2次大戦後のこと。
しかもその研究は、本家の中国ではなく日本でした。
次の研究です。

この研究の対象になったのが、美濃白川産の麦飯石です。
そして3つの大きな功績を残しました。

  1. 2,000年の歴史を持つ麦飯石に、初めて現代科学のメスを入れたこと。
  2. それまで日本でまったく無名の麦飯石が、認知されるようになったこと。
  3. 麦飯石の機能・効果の仕組み成分等について、根幹となる知見が得られたこと。

「事実上の標準」になった要因は、1と3の功績があるからです。

第1の功績、初めて現代科学のメスを入れた

つまり、日本が先に研究したのです。
先にやることは重要です。後からやる人は、先のモノを参考にし、基準にします。
先のモノと比較もされます。先にやると、「事実上の標準」になる確率が高くなるのです。

しかも麦飯石の研究は、ほぼゼロからでした。中国は何もしていなかったのです。
400年前の漢方の教典書に記述はありました。
が、それには科学的な根拠はありません。
何もない状態から研究したことが、第3の功績につながります。

第3の功績、根幹となる知見が得られた。

本家の中国に科学的な知見がない。もちろん当時の日本にもない。
そんな中でこの研究が発表されました。
何もないところに、「麦飯石とはこういうものだ」と刻んだのです。
刻まれた知見は、今なお根幹として生き続けています。

現在、書籍やネットにある麦飯石についての情報。
こうした一般に知られている標準的な麦飯石の特徴は、この研究で得られた知見です。
当サイトでお伝えしている麦飯石の効果成分等も、この知見に基づいています。

といっても、この知見が、
「麦飯石の標準」として誰かから公式に認定されたわけではありません。
いつの間にか自然に、標準的なものとして扱われるようになったのです。

たとえば、
書籍やネットで麦飯石に言及する時は、この知見に基づいて書かれ。
新たに研究する時は、この知見を参考や基準にし。
この積み重ねの結果、「標準的な麦飯石像=美濃白川産」が既成事実になりました。

「麦飯石とはこういうものだ」と言い表した場合。
それはつまり美濃白川産のことを言っている、という状況です。

美濃白川産麦飯石が「事実上の標準」になる条件は揃いました。
あとは、その後に続く人達はどうしたか?です。

一人前になった麦飯石は、時流に乗って人気者に

日本では時代の流れにも合いました。
麦飯石の鑑定・研究が発表されたのは、まさに高度成長期を迎える時代。
これ以降、日本に新たな潮流が起こります。
「健康ブーム」と「環境意識の高まり」です。

麦飯石は「健康」と「環境」という時流に乗ります。
「静かなブーム」とでもいえる状況になりました。昭和50年前後のことです。
麦飯石の消費量も増えていきます。
が、この頃はまだ、国産の美濃白川産だけしか出回っていませんでした。

隣国で人気者になった麦飯石を見て、生みの親・中国はどうしたか?

こうした日本での需要の高まりを受けて、動いたのが中国でした。
昭和60年前後から、中国産麦飯石の輸入が始まります。
日本の大手商社も関わるようになりました。
以後、中国産の輸入は増え続けます。

麦飯石が日本で売れる。この事実を受けて、中国はさらに動きます。
各地で産地・鉱山の開発が活発になっていくのです。
ここで示した産地名は代表例に過ぎません。探せば他にもっと多くの産地があります。

当時の中国から日本への売り込みの勢いを、物語る資料があります。

400年前はいざ知らず、現在では“本草綱目"そのものが日本の多くの近代医学専門家たちに評価されなくなってきていることだけは、H杜の百科事典などを通じて、筆者も知っている。
しかし、本家の中国ではなかなかの評価ぶりで、漢方薬の勢いに乗じ“本草綱目"を振りかざした、とくに日本への「麦飯石」売るべしの鼻息は相当なものである。

麦飯石について/地質ニュース1987年2月号より引用

現在でも中国においては採石場発見とのニュースに対する反響は大きく、事業家が奮闘しています。
とにかく、最近の日本への売り込みは相当なものであり、結局のところ健康に役立つものかどうかは近代医学による立証に仰ぐべきことではないでしょうか。

地質辞典から探せない麦飯石について/旧愛媛県工業技術センターHPより引用

要点は2つです。

  1. 「日本への「麦飯石」売るべしの鼻息は相当なもの」
  2. 「最近の日本への売り込みは相当なもの」

ここまで口を揃えて言うほど、中国の売り込みが「相当なもの」だったのでしょう。

日本にあって中国になかったもの

ここで1つ、大きな問題がありました。
じつは、麦飯石には公的な基準がありません。

それもそのはず。上述のように、日本で初めて科学的に研究されたわけです。
「こういう岩石が麦飯石である」という定義・基準が、本家の中国にありません。

あるのは400年前の漢方の教典書。
「麦飯のおにぎりに似ている」の記述がある書物です。

したがって、産地・鉱山の開発にあたって、
日本の研究を参考にしたことは、容易に想像できます。

ましてや、日本へ売るために採掘するわけです。
日本の麦飯石の研究成果を基準にした。
美濃白川産麦飯石の研究が、「事実上の標準」になった。
このように私は考えます。

あれもこれも、どれも麦飯石?中国の地質専門家の発言にみる混乱ぶり

当時の中国における混乱ぶりを、物語る資料があります。
「中国地質報(1986/11/14)」に掲載された麦飯石の解説記事です。
中国の地質専門家の見解として、日本でも紹介されました。

麦飯石はどんな石か? どのような地質学的な特徴をもっているのか? 地質学界ではこの数十年来諸説紛々としてまだ定まっていない。

一説によれば、
麦飯石は一種のサブボルカニックスで、モンゾナイト斑岩ないし石英閃緑斑岩に相当し、

また一説によれば、
花嵩岩類中の雲母モンゾナイトの風化生成物であり、

さらに一説によれば、
花嵩岩ないし閃緑岩が風化作用によって崩れ大小さまざまだ岩塊になったものをいう。

これらのすべてが麦飯石なのか? 筆者は、どれもがそうかもしれないし、そうでないかもしれない、と思っている。

~~中略~~

このように見ると、

現在の内モンゴル自治区哲里木盟奈曼族石音昌郷の平頂山のモンゾナイト斑岩(石英閃緑斑岩という説もある)、
天津市葡県の風化した雲母モンゾナイトが麦飯石とされている他にも、
山東省蒙陽県のモソゾナイト斑岩、
河南省嵩山県の黒雲母モンゾナイト片麻岩と同県の窩山花嵩岩縁辺相のガリ中の風化生成物、
河北省の寿王救と郎郵の両県、江蘇省南京市、安徽省馬府県、広東省大東山などのモンゾナイト、
湖北省鉄山県・福建省平和県鐘騰などの石英モンゾナイトも

麦飯石の産地となる可能性がある。

麦飯石について/地質ニュース1987年2月号より引用

要するに、中国ではこう言っているのです。

「麦飯石とは何か?よく分からない。
だから、あっちの石もこっちの石も、そっちの石も。どれもこれも麦飯石かもしれない」

美濃白川産の麦飯石は「事実上の標準」。
私がこう言うのは、以上の経緯と背景があるからです。

日本の専門家はどうみているか?

麦飯石の産地と品質について言及した文献は少ないです。
数少ない中の1つが、高知大学の石川勝美教授著「麦飯石利用農法」。
(2004年、文献中の研究試料は美濃白川産麦飯石)
その中の「麦飯石の産地」という項目です。

ここでの記述が、「事実上の標準」を物語っています。

形状、その他の風化状態が同様である岩石は、近隣国では中国(黒龍江省産)に見ることができます。
この岩石も同じく麦飯石と称され、広く国内外に出回っており、利用されています。

現在、黒龍江省産の麦飯石についても農業利用につき研究を進めているところですが、国産のものと同様の効果があれば、コストの低減化に繋がるものと期待できます。

また、台湾や内モンゴル産にも類似の岩石がありますが、上記の2種に比べ、その特性に違いがあることが分かっています。

石川勝美著「麦飯石利用農法」(2004年)の、「麦飯石の産地」の項目より引用

要点は3つです。

  1. 「この岩石も同じく麦飯石と称され」
  2. 「国産のものと同様の効果があれば」
  3. 「上記の2種に比べ、その特性に違いがある」
    (※上記の2種=美濃白川産と中国黒龍江省産)

国産(美濃白川産)麦飯石を基準に、他の産地と比較しているのが分かります。
つまり、美濃白川産の麦飯石は、「事実上の標準」になっているのです。

まとめ

「数ある産地の中でも、美濃白川産の麦飯石は品質が良い」
この定説に科学的な根拠はありません。
「他の産地の麦飯石と比べて白川産が優れている」とは言えないのです。

だからといって、美濃白川産麦飯石の品質が良いことは確かです。
なぜなら、麦飯石には、公式に定められた基準・定義がありません。
その状況の中で、美濃白川産は「事実上の標準」になっているからです。

したがって、どの産地の麦飯石を買えばよいか?迷った場合。
美濃白川産を選ぶのがよいでしょう。

「事実上の標準」です。
一般的・標準的な麦飯石の効果が、最も高い確率で得られます。
あたり・はずれが少なく無難だからです。

買い物で失敗したくない。そう思うなら美濃白川産がよい。私はオススメします。

なお、同じ産地の麦飯石でも、まったく同じモノはありません
しっかりと管理・選別された麦飯石か?見極めて買うのがよいでしょう。